・退職前の引き継ぎって、何から始めれば良いの?
・注意するポイントはどこ?
退職することになったら、後任者への引き継ぎの準備が必要になります。
ですが、いざ引き継ぎの準備を始めると、何をしたらいいのかわからないということも多いでしょう。
そこで、この記事では「退職時の引き継ぎ」の効果的な進め方を紹介します。
- 退職するときに、後任の人にスムーズに仕事を渡す方法
- 仕事の進め方や、現在の状況をわかりやすく伝えるコツ
- 退職までサポート方法と、良い関係を保ちながら仕事を終える方法
この記事を読めば、安心して新しいスタートを切ることができるようになりますよ。
引き継ぎ計画の立案:担当業務の洗い出しと後任者への引き継ぎ期間の決定
退職を決めたら、さっそく後任者にバトンタッチする計画を考える必要があります。
適切な引き継ぎは、業務の中断を最小限に抑え、後任者がスムーズに業務を継続する助けになります。
担当業務の一覧を作成する
計画の立案時にまずやるべきは、あなたが担当している仕事の一覧を作ることです。
一覧では、次の内容を明確にしましょう。
- それぞれの仕事の進捗状況
- 関係者への連絡方法・連絡先
- 今後どう進めていくべきか
後任者の決定と引き継ぎ期間の確認をする
仕事の一覧ができたら、以下の2点を確認しましょう。
- どの仕事を誰に任せるのか
- どのくらいの引き継ぎ期間を必要とするのか
引き継ぎ期間は、現実的にきちんと引き継げるだけの余裕をもって設定することが大切です。
具体的な引き継ぎ計画を立案する
引き継ぐ仕事の一覧と、後任者および引き継ぎ期間が決まったら、詳しい引き継ぎ計画を立てましょう。
ここでは簡単な例を紹介します。
仕事1はAさんに、仕事2はBさんに引き継ぎしよう。
2人には、プロジェクトの途中からでも引き継げるように、まずはプロジェクトの概要と今後のスケジュールを共有から始める必要がある。
その後、具体的な作業内容については、週に1度のミーティングを設けて、1ヶ月以内に引き継ぎを完了しよう。
作業手順や進捗状況等の文書化
仕事を次の人に渡すときには、作業手順(どうやって仕事をするのか)や進捗状況(今どこまで進んでいるのか)をわかりやすく文書に書き留めておくことが大切です。
ここでは、スムーズに引き継ぎを行うための文書作りについて解説します。
引き継ぎチェックリストを作成する
まずは、もれなく引き継ぎを完了するための「引き継ぎチェックリスト」を作成し、すべての重要な項目がカバーされていることを確認できるようにしましょう。
作業マニュアルを作成する
チェックリストに従って、必要な作業の「作業マニュアル」を作成します。
これは、あなたが担当している仕事の「やり方」を書き出したもので、どんな手順で、どんなポイントに注意して作業を進めるのか、具体的に説明する文書です。
適切に作成された「作業マニュアル」があると、仕事を引き継ぐ人が、すぐにでも仕事の流れをつかむことができます。
進捗状況を明確に示す
次に、プロジェクトの「進捗状況」を示す書類を作成します。
あなたが担当している仕事が今どの段階にあるのか、どんなタスクが終わって、これから何をしなければならないのかが一目でわかるようにしましょう。
たとえば、あるプロジェクトで「資料作成は70%終わっていて、次はデータ分析に入る」という状況なら、その情報を文書にして、仕事を引き継ぐ人が、次に何をすべきかがすぐに理解できるようにすることが大切です。
これらの準備をすることで、引き継ぎがぐっと楽になりますし、新しい担当者も安心してスタートできるようになります。
仕事の引き継ぎは、こうした「見える化」がカギになるんですね。
後任者・チームメンバーとの情報共有
後任者やチームメンバーに仕事を渡す時、大切なのは「きちんと伝わっているか?」を確認することです。
ここでは、後任者・チームメンバーとの情報共有に関するポイントを見ていきましょう。
重要な情報を確実に共有する
まず、自分が担当しているプロジェクトや仕事について、以下の内容を後任者にきちんと伝えましょう。
- キーポイントはどこか?
- どこまで進んでいるか?
- どんな課題が残っているのか?
このときに事前に作っておいた「作業マニュアル」や「進捗状況」を示す書類を使って説明すると、よりスムーズに理解してもらえます。
また、引き継ぎの過程で得たフィードバックを活用し、作業を改善するための提案も行うことで、職場での最終的な印象をアップさせることも大切です。
関係者への紹介と連絡先リストの共有
仕事をスムーズに進めるためには、関わる人々を知ることも大切です。
ですので、プロジェクトを続けるうえで重要な顧客や協力者の情報を、後任者にしっかり伝え、必要に応じて後任者を直接紹介しましょう。
また、重要な連絡先リストを提供し、後任者が必要な時にすぐにアクセスできるようにすることも大切です。
たとえば、次のように具体的に伝えると、後任者も安心してスタートできます。
このプロジェクトでは、田中さんが大切な役割を担っており、彼とは月に一度、進捗を共有するミーティングを設けています。
連絡先はこちらです。
このように、仕事の詳細だけでなく、人と人とのつながりも大切に引き継ぐことが、スムーズな仕事の継続につながります。
後任者へのトレーニングとサポート
適切な引き継ぎは、未来の職場の人間関係にも良い影響を与えます。
ここでは、後任者がスムーズに仕事を引き継ぐために必要な、トレーニングやサポートについて解説します。
手厚いサポートを提供する
後任者が不安に思わないよう、引き継ぎの間、質問事項やサポートが必要なことがあればすぐに対応しましょう。
特に難しい作業がある場合は、その部分については特に時間をかけて、実際に一緒に作業しながら教える時間を設けるなどする必要があります。
継続的なフォローアップ
引き継ぎが一段落した後も、「また、わからないことが出てきたらいつでも相談してほしい」と伝えるとともに、しばらくは様子を見るなど、必要に応じて一定のフォローアップ期間をおくと良いでしょう。
これによって、後任者やチームが安心して円滑に仕事を続けられるようになります。
退職まで全力投球
自分の退職日が近づいてきても、最後までしっかりと仕事に取り組むことが重要です。責任を持って仕事を終えることで、退職後も職場に良好な印象を残し、関係を維持することができます。
場合によっては、「退職後も1ヶ月間はメールでの質問に答えるようにしています」といったフォローアップも良いでしょう。
こうすることで、後任者も安心して仕事を引き継げ、あなたも納得して退職できるようになります。
まとめ
この記事では「退職時の適切な『引き継ぎ』プロセス」について解説しました。
記事の内容をまとめます。
- 退職が決まったら、すぐに引き継ぎ計画を立てる
- 担当している業務の一覧を作成し、進捗状況や必要な手順を文書化する
- 後任者やチームメンバーに計画を共有し、重要な情報や進捗状況を伝える
- 必要に応じて後任者にトレーニングを提供し、引き継ぎの質を高める
- 引き継ぎ期間中は後任者からの質問に優先的に対応し、サポートを提供する
- 引き継ぎ後も一定期間フォローアップを行い、後任者を支援する
- 退職まで全力で仕事に取り組み、プロフェッショナルな態度を保つ
退職が決まったら、後任者への仕事の引き継ぎは、とても大切な作業です。
退職までの期間を有効に使って、自分も後任者も、そしてチーム全体も安心できるようにしましょう。
仕事の引き継ぎをスムーズに行えば、退職後も職場や同僚と良い関係を保つことができますよ。