今の仕事を続けることに迷いがでてきたんですが、今、仕事を辞めるべきかどうかって、どうやって判断すればいいんですか?
仕事を辞めることは、個人的な生活やキャリアプランだけでなく、現在の職場での責任や同僚との関係、新しい仕事の不安など、多くの悩みをひきおこします。
この記事では、仕事を辞める決断を下すため、様々な観点から最適な退職のタイミングを見極める具体的な指針を解説します。
- 仕事を辞めるタイミングを判断する4つのポイントと詳細
- 仕事を辞めるときに考慮すべきこと
- 退職通知をいつまでに提出するか?
「仕事を辞めるベストなタイミングっていつだろう?」そんな疑問に、分かりやすく答えていきます。
仕事を辞めるタイミングを判断する4つのポイント
仕事を辞めるタイミングを決める際には、次の4つのポイントを考慮しましょう。
- 個人的な状況
- 長期的なキャリアプラン
- 市場状況
- 会社の繁忙期や上司のスケジュール
これらは、適切な退職のタイミングを見極めるためにとても重要なポイントです。
以下では、それぞれのポイントを詳しく解説していきます。
個人的な状況の影響を考慮する
退職のタイミングを判断をするとき、個人の状況が一番の問題になります。
- 健康状態
- 生活環境
- 家計状況
ここでは、それぞれの状況が退職のタイミングに与える影響をみていきましょう。
健康状態
健康上の問題は、仕事を続ける能力自体に影響するため、決して無視してはいけない大きな問題です。
仕事が健康を損なう原因となっている場合、早期の退職が1番適切な選択肢となるでしょう。
また、精神的な健康も重要です。
少し古いデータですが、厚生労働省の調査によれば平成29年時点で精神疾患を有する総患者数は400万人を超えています。
ストレス・燃え尽き症候群・職場の不満などが精神的な健康に悪影響を与えている場合、職場環境の変更や退職が必要です。
生活環境
家族の事情、たとえば配偶者の転勤や出産にともなう子育て、高齢の親の介護などは退職のタイミングに大きく影響してきます。
場合によっては、仕事の続行自体が難しくなることもあるでしょう。
また、住む地域や毎日の通勤時間も重要です。
より良い生活環境や短い通勤時間を求めて退職し、別の地域で新たな職を探すことも一つの選択です。
特に通勤時間の短縮ができないかを検討してみましょう。
総務省統計局の「平成28年社会生活基本調査結果」によれば、通勤時間の全国平均は1時間19分となっており、日本人は通勤に多くの時間を割いています。
この通勤時間を短くすれば、それだけできることも増え、生活も大きく変えることができるでしょう。
家計状況
退職前に現在の家計状況を把握しておくことも非常に重要です。
この際、退職金の有無や福利厚生の状況も考慮することを忘れずに。
特に十分な貯蓄が無い場合は、新しい職を見つけるまで家計が不安定になるため、退職を遅らせる必要にせまられることもあります。
長期的なキャリアプランの影響を考慮する
退職を考える際には、眼の前のことだけでなく長期的なキャリアプランを考慮することが重要です。
キャリア目標と現状とのギャップが、退職のタイミングに与える影響をみていきましょう。
長期的なキャリア目標の設定
まずは、自分のキャリアで達成したい長期的な目標を明確に設定してみましょう。
これには、目標とそれを達成したい年齢を年表のように書き出していくのが効果的です。
たとえば、就きたい役職・身につけたいスキル・働きたい業界と、それを達成したい年齢を思いつく限り書き出してください。
そのうえで、現在の仕事・職場がこれらの長期的な目標に必要なチャンスやリソースを提供してくれるかを評価してみましょう。
現在の職場の評価
次に、現在の職場の文化や働き方が、自分の価値観や理想にあっているかを見直してみましょう。
もちろん、完全に理想通りの職場などは存在しません。
どの職場であっても、何かしら不満はあるものです。
しかし、理想との不一致が大きい場合、キャリアの目標達成に影響を与える可能性があります。
また、今の職場にどれだけ満足しているかも重要です。
仕事の内容・チームメンバーや上司との関係性・給与体系・キャリアパスが、自分の理想や目標にあっているかを評価してみましょう。
キャリア成長のチャンスの評価
キャリア成長を目指す人にとっては、現在の職場で仕事を続ける場合に、昇進の道筋がイメージできるかも重要なポイントです。
現在の職場で引き続き学習することで、スキル開発・新しいプロジェクトへの参加・業務の多様化など、自身が成長するチャンスはあるでしょうか?
昇進が遠い将来のことである、または不可能であると感じる場合、退職を検討する理由となることもあります。
市場状況の影響を考慮する
退職のタイミングには、市場状況や業界の動向が大きく影響してきます。
ここでは、これらの外部要因が退職のタイミングにどのように影響するかを見ていきましょう。
雇用の安定性
まず大事なのが、現在の職場の経営状況と雇用の安定性についてです。
現在の市場状況における職場の経営状況と将来的な見通しを、客観的に評価してみましょう。
職場が経済的に不安定である場合、転職を考えるタイミングかもしれません。
労働市場の状況
続いて、現在の労働市場における求人数と質を確認しておきましょう。
ハローワークで求人状況を聞いてみたり、「マイナビ転職」や「doda」、「ビズリーチ」などの転職サイトで求人数や求人をしている企業の情報を調べたりするのが効果的です。
また、世間一般の経済状況も考慮しましょう。経済が不安定または不況の場合、企業は人員整理を優先し、求人を控えるのが一般的です。
求人が豊富で、自分のスキルや経験にマッチする職が多い場合、退職して新たなキャリアに向かうチャンスと言えるでしょう。
業界動向の評価
自分自身が働いている、またはこれから目指そうとしている業界の動向も重要な要素です。その業界が成長しているか、または衰退しているかで転職のチャンスは大きく変わってきます。
業界全体が縮小している場合は、安定した他の業界への転職を検討することが有効です。
また、現代では急速な技術の進展が、特定の業界や職種に大きな影響を与えることも少なくありません。
たとえば、今であれば生成AIを中心とするAI技術の進歩により、様々な業界や職種が影響を受けています。
パーソナルブランドの市場価値
現代のような状況では、自分のスキルや経験が将来的に需要があるかどうかを客観的に考慮することが大切です。
高い市場価値がある場合、より良いキャリアを求めて退職するタイミングと言えるでしょう。
また、現在の職場は自分のパーソナルブランドや専門性の構築に、どの程度寄与しているでしょうか?
自分の専門分野や業界での評判を高めるためには、環境の変更が必要な場合もあります。
会社の繁忙期や上司のスケジュールを考慮する
また、会社の忙しい時期や上司のスケジュールを考慮することも大切です。
退職の決断を下したら、できるだけ早くタイミングを計画し、上司に通知する準備をします。
しかし、大きなプロジェクトの真っ只中や締め切り直前に退職の意向を伝えると、上司だけでなく、チームメンバー全員に負担をかける可能性があります。可能ならば、重要な業務やプロジェクトの区切りが良い時期を選びましょう。
- 重要な業務やプロジェクト等の繁忙期が終了した直後
- 週の初めや中頃(対応計画を立てやすくなるため)
そのうえで、自身のキャリア計画や個人的な事情も考慮に入れ、最適なタイミングを選択します。
また、状況によっては、退職日を前後させる必要があるかもしれません。
その際には、できる限り柔軟な対応を心がけましょう。
退職通知のタイミングの重要性
最後に、多くの企業では、少なくとも退職日の2週間前の退職通知を社内ルールで要求しています。
ただし、役職や責任のレベルによっては、より長い予告期間が求められることもあります。
これは、退職にともなう後任の準備や業務の引き継ぎに余裕を持たせるために必要な配慮です。
可能であれば、標準的な予告期間よりも前に通知を行うことで、よりスムーズな移行を促進できます。
まとめ
この記事では「仕事の辞め時はいつ?キャリアを考えた退職のタイミングとは」について解説しました。
記事の内容をまとめます。
- 個人的な生活状況、財務状況、健康状態なども退職の決断に大きな影響する
- 長期的なキャリアプランと現在の職場の役割を比較し、キャリア目標との差異を考慮する
- 自社の経営状態、労働市場の状況や業界の動向を考慮する
- 重要な業務やプロジェクトの区切りが良い時期を選ぶ
- 退職にともなう後任の準備や業務の引き継ぎに余裕を持たせる配慮をする
仕事を辞める決断は簡単なものではありませんが、適切な準備を行えば、新たなキャリアの道を切り開く大きな一歩となります。