- 職場を辞めたいけど直接言い出せない
- 辞めたいのに辞めさせてもらえない
そんなとき、相談に乗ってくれたり、代わりに退職の意思を伝えてくれたりする心強いサービスが「退職代行」です。
でも、退職代行サービスを使うときは、料金やサービス内容、退職後のフォローなど、いくつか気をつける点があります。
この記事では、退職代行サービスを初めて利用する方に向けて、以下の内容を紹介します。
- 退職代行とはどんなサービスで、何をしてくれるのか?
- 退職代行サービスを利用するメリットと注意点
- 自分に合った退職代行サービスの選び方のポイント
おすすめの退職代行サービスが気になる方は、以下の記事を読んでみてください。
退職代行の基本知識
まずは、「退職代行」とはどういうサービスで、どのように利用すればいいかを確認していきましょう。
そもそも「退職代行」って何?
「退職代行」という言葉、聞いたことはありますか?
これは、職場を辞めたいと思った時、その旨を会社に伝える面倒な手続きを、代わりにやってくれるサービスのことです。
たとえば、山田さんは新しい仕事を始めたいけれど、上司との関係がギクシャクしていて、直接辞めたいと言い出せない…そんな時、退職代行サービスが活躍します。
山田さんの代わりに、退職代行サービスの人が会社に連絡を取り、スムーズに退職の手続きを進めてくれるのです。
このように、退職代行を利用すれば、自分で辞める手続きをする必要がなくなります。
また、辞めることで生じがちなストレスや、職場の人との面倒なやり取りを避けられるため、心にも余裕が生まれます。
特に、職場の人間関係が複雑で、なかなか自分から退職の意思を伝えられない人には、とても心強いサポートとなるでしょう。
どこでどう探せばいい?退職代行業者の選び方
はじめて退職代行サービスを探す際はどうすればいいか悩むかもしれません。
でも心配無用です!退職代行サービスはインターネットや電話でかんたんに見つけることができるんです。
ただし、業者によって対応や料金が違うので、選ぶ時は慎重になりましょう。
選ぶポイントは、ざっくりとこんな感じです。
- 実績や口コミをチェック
-
これまでにどれだけの人が利用して満足したか、ネットの評判や口コミサイトを見てみましょう。
- どこまで対応してくれるか確認
-
自分が住んでいる地域でサービスを利用できるか、また自分が働いている会社の種類(例えば、大企業や外資系など)に対応しているかも重要です。
- 料金がどのくらいかかるか確認
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料金体系は明確でしょうか?
隠れた追加料金はないか、しっかりとチェックしましょう。
- 自分の条件に合わせてくれるか確認
-
退職日の調整や有給休暇の取得支援など、自分が望む条件で対応してもらえるかも大事なポイントです。
たとえば、「東京で、即日退職が可能で、有給もしっかり消化できる業者」など、自分のニーズに合った業者を見つけることができれば、よりスムーズに退職へと進めますよ。
気になるお金のこと!退職代行の料金相場っていくらくらい?
退職代行の料金相場は頼む業者によってピンキリです。
大まかに言うと、労働組合を利用する場合はだいたい2万円から3万円前後、もし弁護士に頼むなら5万円くらいが相場とされています。
でも、これだけではありません。
たとえば、未払いの給料や退職金を請求したい場合は、弁護士に依頼することになるので、その分追加で料金がかかることもあります。
ですので、契約する前には、料金に何が含まれていて、何が含まれていないのかをしっかりと確認することが大切です。
料金だけでなく、サービスの内容も含めて、自分にとって最適な選択をするためにも、事前の情報収集はしっかりと行いましょう。
退職代行サービスの費用相場については、以下の記事をお読みください。
もしも使うことになったら!退職代行の流れってどんな感じ?
退職代行サービスを使って、スムーズに会社を辞めたいと考えているなら、どんな手順で進められるか、こちらで説明しますね。
まずは退職代行サービスに連絡して、状況を相談してみましょう。
いつ会社を辞めたいか、退職代行サービスと一緒に決めます。
決めた日に、サービスの担当者があなたの代わりに会社に退職の意志を伝えます。
もし会社から何か連絡があった場合は、サービスがあなたに代わって対応してくれます。
退職が進むと、サービスからあなたに進捗報告があります。退職届の郵送など、必要な書類のやり取りをします。
最後に、退職に関する書類がすべて整ったら、退職完了です。
このように、退職代行サービスを利用すると、退職に関する面倒な手続きを代わりに行ってもらえます。
直接会社と対峙するストレスがなくなるため、新しいスタートを切るための心の準備に集中できるでしょう。
退職代行を利用するメリット
退職代行について基本的なことがおわかりいただけたでしょうか?
ここでは、退職代行を利用するとどんな良いことがあるのか、その特徴とメリットを解説します。
- 代理通知
- 専門知識と経験を活かしたサポート
- コミュニケーションの円滑化
- 手続きの迅速化
- 退職後のサポート
代理通知
まず、「代理通知」というのが大きな特徴です。
これは、
「退職したいけど直接上司には言いづらい…」
そんな時、退職代行サービスがあなたの代わりに会社に退職の意思を伝えてくれるというものです。
つまり、面と向かっての辛い会話を避けられるわけですね。
専門知識と経験を活かしたサポート
退職には色々な法律や手続きが関わってくるものです。
この際、悪質な会社は、退職者に不利な条件を押し付けてくることが少なくありません。
退職代行サービスを利用すれば、それらを熟知した専門家がサポートしてくれますので、安心して手続きを任せることができます。
コミュニケーションの円滑化
退職代行サービスを利用すると、業者は中立的な立場から、感情的な対立を避けつつ雇用主との間でスムーズな退職を実現するためのコミュニケーションを担ってくれます。
これは、特に人間関係が複雑で、直接退職の意志を伝えるのが難しい場合に非常に有効です。不快な場面に遭遇することもないため、退職に関するストレスを大きく減らすことができます。
手続きの迅速化
退職代行サービスを利用すれば、専門家が関与することで、退職に必要な手続きを迅速かつ効率的に進めることが可能です。
退職を希望する人にとっては時間の節約にもなり、新たなスタートを切るまでの期間を短縮することができます。
退職後のサポートを受けられる
退職後には、以下のような様々な手続きが必要になることがあります。
- 健康保険・年金等の社会保険の手続き
- 雇用保険の申請
- 税金の手続き
- 再就職に向けた転職活動
退職代行サービスは社会保険や税金などの、必要な手続きや書類の準備を代行してくれます。これにより、正確かつスムーズに退職後の手続きを進めることができます。
さらに、キャリアコンサルティングや転職支援などのサービスを提供する場合もあり、退職後のキャリアや再就職に関する相談や支援も受けられることも。
退職後の新たなステップに向けたアドバイスや情報を提供してくれることで、再就職活動やキャリアの選択に役立つことが期待できます。
退職代行を利用するデメリット
一方で、退職代行にはデメリットも存在します。ここでは、退職代行のデメリットと注意点についてお話しします。
- 費用がかかる
- 個別ニーズに対応しきれない場合がある
- 個人情報の提供が必要
- 悪質な業者がいる
- 会社との関係悪化の可能性
費用がかかる
退職代行サービスを使う時に心配なのが、やっぱりお金のことですよね。一言に退職代行サービスと言っても、サービスを提供してくれる業者には、労働組合や弁護士などさまざまなタイプがあります。
選ぶ業者によって料金は変わりますが、一定の費用がかかることを覚悟しなければなりません。
もちろん、料金だけでなく、サービス内容も含めてじっくり比較検討することも大切です。
退職代行サービスの費用相場については、以下の記事をお読みください。
個別ニーズに対応しきれない場合がある
退職代行サービスは様々な人の退職をサポートしています。
そのため、特定の個人の独特な事情や要望に対して、一つ一つ完璧に応えることが難しい場合があります。
たとてば、非常に特殊な業界で働いている場合や、特定の退職条件を要求する場合などは、サービスの提供範囲外となってしまうことも考えられます。
個人情報の提供が必要
退職代行サービスに依頼すると、退職の意思を伝える手紙や退職届、会社で使用していた連絡先や住所などの個人情報を提供する必要があります。
退職代行サービスは、個人情報を守るために厳格なセキュリティ対策を講じている業者が多いですが、それでも個人情報が漏洩するリスクはゼロではありません。
もちろん、信頼性の高い退職代行サービスを選ぶことも重要です。
信頼性のあるサービス提供業者は、個人情報のセキュリティ対策やプライバシーポリシーについて厳格な基準を遵守しています。事前に業者の評判やレビューを確認し、適切なセキュリティ対策を講じているかどうかを確認しましょう。
また、契約書や同意書にサインすることが必要な場合は、提供される契約書や同意書をよく読み、個人情報の取り扱いについて明示されているかを必ず確認しておきましょう。
信頼性の高いサービスを選択し、個人情報の保護に関する適切な対策を講じることで、リスクを最小限に抑えることができます。
悪質な業者がいる
退職代行サービスは、近年注目を集めている新しいサービスですが、やはり悪質な業者も存在しています。
実際に、高額な費用を請求したり、退職の意思を伝えるだけで終わり後は何もしなかったり、個人情報を悪用したりするなどのトラブルも発生しているのです。
慎重に業者を選ぶことで悪質な業者とのトラブルを回避することができるので、よく比較して賢く選択していきましょう。
会社との関係悪化の可能性
退職代行サービスを利用すると、退職の意向を直接伝えることがないため、会社との関係がギクシャクする可能性があります。
特に、同じ業界での将来的な活動を考えている場合、この点は慎重に考慮する必要があるでしょう。
業界は意外と狭く、今の職場の人々と将来どこかで再会する可能性も否定できません。
そのため、退職代行サービスを利用する際は、将来への影響も考えて、慎重に決断することが重要です。
退職代行を利用する際の注意点
退職代行サービスは、退職をスムーズに進めたい人にはとても便利な選択肢です。
しかし、利用するかどうかを決める前に、上記のデメリットや、以下の注意点をよく考慮することが大切です。
- 契約前の調査は入念に
- 無料相談の質はどうか?
- 退職後のフォロー体制はどうか?
契約前の調査は入念に
退職代行を考えているなら、まずは契約前の調査が重要です。
サービスを提供する業者はたくさんあり、それぞれで料金や提供するサポートの内容が異なります。
十分な調査と検討を行い、自分にとって最適な退職代行業者を見つけましょう。
無料相談の質はどうか?
利用する前の無料相談は、退職代行サービスを選ぶ上で非常に重要なステップです。
この相談を通じて、サービスの質や担当者の対応をじっくり見極めることができます。
- 親身になってくれるか
- 対応が丁寧か
- 自分の状況に合わせて柔軟に対応してくれるか
こういった点をチェックすることで、優良な業者かどうかが分かるのです。
また、契約を急ぐような態度を取る業者には注意が必要です。
急ぐ理由が明確でない場合、その業者が自分のニーズを真剣に考えていない可能性があります。
無料相談の段階で、じっくりと話を聞いてくれるかどうかは、その後のサービス提供を左右する重要な指標になり得ます。
退職後のフォロー体制はどうか?
絶対に忘れてはいけないのが、「退職後のフォロー」の確認です。
退職手続きが一通り終わったあとでも、予想外の問題が発生することがあります。
たとえば、会社から離職票などの退職に関する書類がなかなか届かないといったケースです。
退職手続きが完了した後でも対応してくれるかどうか、事前に業者に聞いておくことが大切です。
退職後も安心して過ごせるように、しっかりとサポート体制が整っている業者を選びましょう。
退職代行で失敗・トラブルの事例
一部のケースでは、退職代行を利用することでトラブルが生じることがあります。
同じ過ちを避けるためにも、他者の失敗経験を参考にしていきましょう。
- 退職が認められないケース
- 給与や残業代の支払いがされない
- 音信不通になる退職代行サービス
- 懲戒解雇扱いにされる
- 損害賠償を請求される
- 非弁行為を行う業者に依頼
退職が認められないケース
一部の企業では、退職代行サービスを利用しても退職を認めないことがあります。
認めないの一点張りで根負けしてしまう退職代行サービスもあるようです。
しかし、日本の民法では「退職の自由」が認められており、退職の申し入れから2週間経過すれば正式な退職となります。
この点を理解した労務問題や法律に詳しい業者を選ぶようにしましょう。
給与や残業代の支払いがされない
退職を認めないことに加えて、給与を支払わない場合もあります。
強制的にサービス残業をさせる事例も多く見られます。
労働基準法では働いた分の賃金の支払いが義務付けられていますので、弁護士などに依頼して請求しましょう。
弁護士法人が運営するおすすめの退職代行サービスについては、以下の記事をお読みください。
音信不通になる退職代行サービス
一部の退職代行サービスでは、サービス利用途中に利用者からの問い合わせに対して返信がなくなるケースが報告されています。
退職代行は「伝えたら終わり」という認識の業者も多く、トラブルが発生しても対処してくれない場合があります。
結局、自分が動く羽目にならないよう、サポートの有無を必ず確認しておきましょう。
退職後のフォロー体制の確認まで含めて確認しましょう。
懲戒解雇扱いにされる
退職代行サービスによる退職通知を受け取った企業が、従業員の退職の意向を突然と受け取り、懲戒解雇として扱うリスクがあります。
急な解雇は不当解雇となりやすいため、会社側も慎重に対応する必要がありますが、時には懲戒解雇にしてくる会社もあります。
懲戒解雇となると、本人の名誉やキャリアに悪影響があったり、失業保険の受給資格を失う可能性があります。
病気や事情で出社できないなど正当な理由があっての退職代行の場合、これには当てはまりませんので、労務専門の弁護士に相談しましょう。
もしくは、懲戒解雇にしてくる恐れがある会社だと事前に予測できる場合は、そもそもの退職代行を最初から弁護士に依頼するようにしましょう。
損害賠償を請求される
退職により業務に支障をきたしたり、プロジェクトの遅延が発生した場合に、一部の企業から損害賠償を請求されるリスクがあります。
引き継ぎをきちんと行う約束をしたり、守秘義務の契約書を交わすなどして、予め対処法を考えておきましょう。
また重要なポジションについている場合は、労働組合でなく弁護士に退職代行を依頼するすることをおすすめします。
非弁行為を行う業者に依頼
弁護士ではない人が報酬を得ることを目的として法律事務を扱う行為は、非弁行為として違法になる可能性があります。
例えば、未払いの給与や残業代の請求を行ったり、契約して雇用されている方の契約解除を求めたりなどです。
これに該当するような退職代行業者に依頼すると、トラブルに巻き込まれるリスクがありますので、必ず弁護士に依頼するようにしましょう。
退職代行は慎重に選び、利用する際にはデメリットや注意点も理解した上で進めると、円滑で安心な退職が可能となります。
「退職代行は違法なの?」と気になる方は、以下の記事をご覧ください
退職代行サービスの選び方7つのポイント
安心して依頼できる退職代行サービスを選ぶためには、以下のポイントを考慮することが重要です。
- 口コミや評判の確認
- 業者の信頼性と実績の確認
- カスタマーサポートの充実
- プライバシーポリシーとセキュリティ対策
- 契約内容と料金の透明性
- 無料相談の提供
- 複数の業者を比較する
まとめ
この記事では「退職代行の基本知識と選び方」について紹介しました。
この記事の内容を簡単にまとめると、以下のポイントが挙げられます。
- 退職代行サービス:退職の意向を会社に代わって伝え、手続きをサポートしてくれるサービス。
- メリット:
- 直接対面せずに退職可能
- 専門家によるプロフェッショナルなサポート
- コミュニケーションの円滑化
- 手続きの迅速化
- デメリット:
- 費用がかかる
- 個別ニーズに完全には応えられない場合がある
- 会社との関係が悪化するリスク
- 選び方のポイント:
- 実績や口コミのチェック
- 対応エリア、料金体系の確認
- 自分の希望に応えられるかどうか
- 契約前の注意点:
- 料金やサービス内容の確認
- 無料相談の質
- 退職後のフォローの有無
退職代行サービスを利用する際は、これらのポイントを踏まえ、自分に合った業者を慎重に選ぶことが重要です。